タイパー・インタビュー

タイパーアドカレなどで行ったインタビューまとめです(かり~)

タイパーインタビュー04:pogiさん

 こちらはタイパーアドカレ2020、9日目の記事です。
(前日の記事はdonuts29さんの「10年以上お世話になった小指をリストラした話(タイピング最適化)」です)

 タイパー・インタビューの4回目は、RTCをきっかけに30代から競技タイピングを始められたpogiさんにお話を伺いました。

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―――pogiさんがタイピングを覚えたきっかけから教えて下さい。

 自分が最初にタッチタイピングを練習しようとしたきっかけはかなり遅く、2018年、32歳の頃でした。職場で、年下の後輩がものすごい速さでブラインドタッチをしているのを見て衝撃を受け、「30過ぎて人差し指ポチポチはやばいかな!?」と、練習を思い立ちました。

 その時の後輩もいま思えば300kpmくらいだったのですが、当時はそもそもタイピングをブラインドタッチでするという発想がありませんでした。それから、ネットでタイピングの練習方法を調べたり、動画などを漁りました。とにかく効率的な練習法があるだろうと思って、サイトなどに載っている、練習に使えるというタイピングゲームを片っ端から試していました。

 

―――それからしばらくは、自分なりに練習を続けられたのですね。

 はい。とくに最初の頃が一番集中していた気がします。空き時間はキーボードを触っているか、キーボードがなければスマホでタイピングのこと調べていました。
 
記録は、タイプウェル国語R常用が初めてやったときで確かBだったと思います。あと「夜の森タイピング」の一番簡単なやつがクリアできませんでした。

 振り返ってみると、今と比べて一番違うところはタイピングそのものに対する考え方ですね。最初は効率的なメソッドがあって、何か決まったことをやっていれば出来るものだと思っていました。それで、タッチタイピングを練習してるのに、以前より遅くてモヤモヤっとしていました。。。

 

―――なるほど。それから2017年に開催されたREALFORCE TYPING CHAMPIONSHIP(RTC)の動画を見つけたのですか?

 はい!RTC2017の動画を見つけたのは確かタイピングを調べ始めて2~3週間くらいしてからだったと思います。たまたま関連動画で出てきて何気なく見たのですが、とにかく何も知識がなかったので、それはもう衝撃的でした。世の中にはこんなに速い人達がいるのか!?と。

 ものすごく速い人を見たことで、こんなことが出来るのか!と思い、ブラインドタッチできても遅いんじゃ仕方ない、やるなら徹底的にやってみようと思いテンションが上がりました。RTCのファイナリストの方たちがかっこよすぎて、世界が広がった感じがしました。今でもその憧れが練習のモチベーションの根底にあります。

 

―――RTC2017を見た中で一番印象に残っている場面はありますか?

 うーん試合はみんなすごく熱く燃えたので一番は難しいのですが、mullerさん対miriさんですね!あとは翌年のRTC2018だと、たにごんさんが当日参加&キーボード借りて打ってるのが、凄い強者の余裕を感じて印象的でしたw

 どの選手をみても、ものすごい速さなのに緊迫していて、トップの戦いだなぁと感動しました。最高峰の人が集まって、それぞれの強みがその場にすべて凝縮されて勝負しているところに魅力を感じました。

 

―――それから本格的に競技タイピングをはじめたとのことですが、その時点で何か目標などは持ちましたか?

 すごく恥ずかしいのですが「いつかこの人達と一緒にRTCに出て対決してみたい!」と思いました。若いほうが覚えが早いとは言いますが、指が動かなくなるまで後20年以上はあるから、続けていればいつかはなんとかなるだろうと。

 

―――それからは具体的にどのような練習をされましたか?

 どこかのサイトでタイプウェルをやっとけば間違いないと書いてあるのをみて、ゲーム的なものを排除してひたすらタイプウェルをやっていました。が、流石にストイックすぎて持たなかったので、練習に非常にいいと噂の「ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド」をPS2とセットで購入して息抜きに使っていました。ちなみにかり~さんのお名前もその時初めて知りました。

 

―――そうでしたか(笑)当時の自分に、今振り返って教えてあげたいと思うことはありますか?

 最初はずっとノートパソコンで練習していたので、「もっと早くREALFORCE買ったほうが良いよ」っていうことですね。パンタグラフからはじめたことでKIやDEのスライドなど変な癖がついてしまっており、その癖を直すのに時間がかかってしまいました。

 REALFORCEを初めて買ったのは半年くらいしてからで、妻に内緒で買ってしまいました。後で許していただけたのですが。
 
ともかくタイピングを調べると絶対出てくるREALFORCEを手に入れた嬉しさが大きかったです。使い始めて最初はもったいなくてゆっくり打っていましたが、打った感触がとても気持ちよく、質感が高かったので驚きました。後はいま思うと当然なんですが、速くなるわけではないというのが予想外でしたw

 メリットとしては、疲れないことで、単純にいい調子で練習できる時間が格段にアップしたのが大きいです。

 

―――その後何かタイピング練習に変化はありましたか?

 独学の練習を一年以上続けて煮詰まってきたところで、なんとかタイピングの仲間ができないかとオンラインで探していたところ、行き着いたのがちょうど出来たての、とあるLINEのタイピングのグループだったんです。TW常用ではXGが出始めた頃でした。そこにまもなくisseiさんも参加されて、その出会いが一番の転機となりました。

 

―――そこから「issei道場」に繋がるのですね。

 実はissei道場は、はっきりと作ったものではなかったんです。最初はLINEでisseiさんが、Warriors of Typing春の陣に一緒に参加する人を募集していて、誰でも出られる大会なら出たほうがいいと思い、即「行きます!」と言ってから、大会参加者の名前を見て蒼白になりました。

 他に出る人もおらず、そのまま出るのがあまりに不安だったので、isseiさんに個人的に練習を付き合ってくれないかと言って、何日も練習しているうちに自分がisseiさんを師匠と呼び始め、やがてisseiさんが押し切られる形で道場主としてやってくれることになるのが始まりです。自分がふざけて道場と名付けただけだったので、最初はしばらく2人だけで、宣伝や募集はしてませんでした。

 

―――なるほど、Warriors of Typingへの参加がきっかけだったのですね。ちなみにWarriors of Typingには実際に参加してみていかがでしたか?

 すごく楽しかったです。それまでisseiさん以外の方と対戦することがほぼなかったのでとにかく緊張しましたが、isseiさんの特訓の甲斐もあり、なんとか2勝できたことが非常に嬉しかったです。

 Warriors of Typingの参加を迷っているなら、絶対に参加したほうが良いと思います。非常にいい経験になり、次の大会に向けて目標ができてメリハリが付きます。ほとんどの人が今が人生の中でピーク(最高速)ではないのだから、むしろ上達のための経験を積む一番のチャンスだと思っています。

 

―――次に、issei道場の活動について詳しく聞かせてください。

 最初は2人でやっていたのですが、ある日isseiさんが「ゲストとして大物を呼びます!」と言い出して、来たのがreiraさんだったんです。

 それで3人でやってみて終わった後に、自分もisseiさんも「2人より大勢でやったら、めっちゃ楽しいじゃん!」となりメンバー募集をし始め、すぐに飛び込んできたのがRさんです。しばらくはその4人でWTに週1~2回集まって特訓していました。

 最近は急にメンバーが増えて17人になりましたが、活動は変わらずWTが中心で、時間がある人が声をかけて暇な人がふらっと相手をするという感じです。夜が多いですが、時間があると深夜までやってます。

 速度もタイピング歴も関係なくいつでも誰でも大募集なので、やる気のある方はぜひご参加ください。

 

―――ちなみにpogiさんの、現在のタイピングの記録も教えていただけますか?

 タイプウェル国語R常用がXD(40.2秒)、e-typingの自己ベストは464です。

 

―――ありがとうございます。issei道場に参加してよかったことはなんですか?

 ひとつはRさんに出会えたことです。最初こそ同じくらいの速度でライバルと呼び合っていましたが、非常にアクティブ&ストイックで、自分とやり方もことごとく違って面白いです。Rさんはものすごい早さで上達して実力的にだいぶ遠くなってしまったのですが、その努力量を見ると「自分もちょっとはやらないとな…」って燃えますね!

 あと最近はWoTで対戦したnagarlさんが入ってくれて、実力が近いので対戦するのが面白いです!偶然なのですが、WoT秋の陣のあとisseiさんに、気になるタイパーとしてnagarlさんを勧誘したいと話していたところ、向こうから入りたいとメッセージをいただきまして、小躍りしました。

 

 練習開始当初はタイピングの速度向上が目的でしたが、今ではこの環境を楽しむ&維持するためにタイピングをしている気がします。もちろん上達前提ではありますが、今の環境がずっと続けばいいなぁ!って。タイピングを練習したことによって、タイピング速度にも負けないほど良いものに出会えました。

 

―――最後に、今後のタイピングへの取り組みや意気込みを教えて下さい。

 自分の最終的な一番の目標は、指が動く限り最後までタイピングを続けて自分の可能性を試したいということです。だからタイピングの練習そのものよりも、タイピングとの付き合い方に重点を置いて練習しています。効率が良くても続かないと意味がないので。

 中期的にはいつかisseiさんに勝利すること、短期ではいま練習中ですが指でミスに反応するスキルを身につけることです。

 

 おっさんだからって諦めない!誰よりも長くタイピングを続ける気持ちでがんばります!

 

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 pogiさん、ありがとうございました!
 (ちなみにpogiさんは本日が誕生日とのことです、おめでとうございます!

 

 次回のタイパーインタビューでは、しろさん(@siroro)にニコ生タイピング大会のことなどを伺いました。12月12日(土)頃公開予定です。

 また、明日のタイパーアドカレの記事は、白狐さん(@Arthur_Lugh)による「多様な観点で見るタイピング上達論」になります。そちらもぜひあわせてご覧ください。